合気道とは近代発祥の武道ですが、我が国伝統の武の心身を体現しています。反復的に練習する型稽古で自身の技を洗練する過程を通じ、武道の心身を作っていきます。
また、全身を合理的に用いた技を追究しており、熟達すれば単純な腕力では敵わない相手でも制することができる点も特徴です。
相手の攻撃に応じて、素手で最適な対処法をとります。時に相手の関節を固め、時に相手の力を受け流し、時に懐に入り込み相手を制圧します。
多くの流派でそうであるように、我が部では試合を行いません。稽古では、先輩に習って互いに技をかけあいながら、型稽古を通じて一連の流れを体にしみ込ませます。それにより無駄のないしなやかな動きを身につけ、武道的な身体の獲得を目指しています。
一部の技は公式YouTubeチャンネルで紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
合気道部では剣術をはじめとする武器術の練習もします。「基本太刀」「裏太刀」などの’’型’’を学ぶことで、 武器術の基本的な動きを修得します。元来、体術と武器術は根底で通ずるものであり、武器術で体得したことを体術にも活かすことが、体術および合気道のより深い理解へとつながります。
東京大学運動会合気道部は昭和29年(1954年)、永世師範の故・田中茂穗先生によって創始され、2024年に創部70周年を迎えます。
日本で最も歴史が古い合気道部の一つで、学生合気道のパイオニアとしてふさわしくあるべく、2023年現在約20名の部員が日々研鑽を積んでいます。
東大合気道部では試合は行いません。日々の型稽古を通して武道的な身体の獲得を目指しています。また、武器術の練習も取り入れ、より深い合気道の理解に活かしています。
グローバリズムの名の下に、欧米起源の基準が世界に広まっていく中で、我が国で生まれた武道という文化が世界に広まっている魅力は何かと考えたことはあるだろうか。大きな理由のひとつは、武道の修行が単なる肉体の鍛錬に留まらず、感性の練磨と知的な刺激に満ちた営みだからである。鋭くも柔らかい感性なくして本質の洞察なく、知性なくして己のなすことの自覚はないことを、稽古を通して実感するのである。
これから世界で活動していくであろう諸君が、文武両道の場を体験することは、必ずや豊かな実りをもたらすものと確信している。多くの諸君の参加を期待する。
心から遊離しない身体、身体から遊離しない心。それを得た人の姿は見ただけで確かに違う。一点への集中力を以て
、自分というリソースを最大限有効に使うことが、この部の追求する武道である。
学業、仕事、家庭、社会。日常の闘いで性別や筋力の強弱は言い訳にならず、君たちは各々の目的のために、好むと好まざると荒れ狂う海をずぶ濡れになりながら渡っていかねばならない。
稽古をはじめればすぐ、日に日に変わっていく自分、昨日よりも確実に強くなっている自分に驚くだろう。それはまた、他との共生という視点とあいまって、圧倒的に深まっていく底知れない世界の始まりでもある。
新入生のみなさん、入学おめでとうございます。新しい生活に胸を膨らませていることと思いますが、ちょっと考えてみて下さい。せっかくの大学生活、学問だけしていて本当に満足できますか?
知力だけでなく、体力だけでもなく、全身全霊を投じて初めて垣間見ることのできる奥深い世界が武道には確かにあります。それはきっと、皆さんの有り余る探求心をも充たしてくれるでしょう。そしてまた、稽古を通して研ぎ澄ました感性は、大学での勉学、そしてその後の人生をも彩豊かにしてくれるものと確信しています。
東大合気道部で、それらを一緒に探してみませんか。皆さんが新たな一歩を踏み出してくれることを期待しています。
諸君は現在、合格の充足感と、これから始まる学園生活に、大きな希望を抱いていることであろう。
或いは、多少の不安を覚えているのかもしれない。そこで先づ諸君に目指してほしいことは、消耗した心身の鍛錬である。それには我が部に入り、合氣道の稽古を通じ、文武不岐の理を体得することと、生涯にわたり語るに足りる心友を見付けることである。
諸君、われ等が運動会合氣道部に来れ!
告ぐ!!受験戦争の”勝利者”へ
合格は勝利ではなく、人生行路の出発だ。人生は戦いの連続。
現代は、予期せぬ見えざる挑戦を受け続ける。その時、君はどうするか…。
武道は、人生の戦いで、自分の本心・本意を探し出し、貫くことにあり、今様戦いの術が必要となる。合気道は、世界に誇る日本武術の一つで護身術ともなる。我が部は、体力を鍛え、気力を養い、知力を磨き、不屈の精神を作るのを目的とする。
心優しく、知性あるも、力弱き者、来たれ!
至誠館は明治神宮内にある武道場で、田中茂穗先生を初代館長として1973年に開設されました。
以前より田中先生の指導を受けていた東大合気道部は至誠館とも関わりを持つようになり、
至誠館の師範方の一部に稽古指導を仰いでいます。
この他、引退後も練習に参加するOB・OGも多く、貴重な指南役として現役との繋がりを保っています。